いただきます
Plausibleitadakimasu
pre-meal expression of humble receiving
wago
由来
- 元言語
- 日本語 (ja)
- 元の形
- いただく / 頂く・戴く + ます
- 借用ルート
- 和語の謙譲表現 → 食前挨拶として定着し、仏教的な食前作法・感謝観とも結びつく
- 意味の変化
- 頭上にいただく・謙譲して受け取る → 食事をありがたく受ける挨拶
- 最古文献
- 1900
解説
8世紀の『万葉集』巻20-4377には「伊多太伎て」という形が見え、コトバンクの精選版日本国語大辞典がこの早い例を引きます。基本動詞いただく(漢字で頂く・戴く)はもともと「何かを頭の上にのせる、敬意を持って受け取る」を意味しました。丁寧の助動詞ますを付けて、いただく → いただきますとなります。
古い動詞の身振りが、食卓の挨拶に残っています。 中世以降、いただくは「目上の人から受け取る」「食べる・飲む」の謙譲表現を発達させました。デジタル大辞泉は「もらう」「食う・飲む」両方の謙譲を併載し、古い物理的な意味は「王冠をいただく」「雪をいただいた山」のような表現に残ります。
神仏に供えた食物の文化が、食卓の言語と作法を形づくりました。食事の終わりの「ごちそうさま」と対になります。 現代のいただきますは、食事の前に手を合わせて言うことが多く、「食欲を呼びかける」のではなく「食物を受け取ること」に対する感謝です。
フランス語 bon appétit や英語 enjoy your meal は食べる側に向けた言葉ですが、いただきますは食べようとしている本人が口にする言葉です。直訳に近い英語の説明は "I humbly receive" で、"please eat well" ではありません。