トーチカ
Confidenttochika
pillbox; bunker
katakana
由来
- 元言語
- ロシア語 (ru)
- 元の形
- tochka / точка
- 借用ルート
- ロシア語軍事語 → 近代日本語の軍事用語へ
- 意味の変化
- 点・地点 → 防御拠点・コンクリート陣地
- 最古文献
- 1930
解説
元の形はロシア語 точка(tochka)で、ふつうの意味は「点、ドット」です。デジタル大辞泉はトーチカをロシア語 tochka として登録し、機関銃や火砲を備えた小型のコンクリート防御陣地と定義します。コトバンクの精選版日本国語大辞典は1938年の石川達三『生きてゐる兵隊』を例として引きます。
「点」という普通名詞が、戦場の固有語に変化した珍しい例です。 日本語の借用は近代の軍事語彙、とくに1930年代の満州国境のソ連軍防御線の文脈に属します。日本大百科全書(ニッポニカ)は、ソ連軍が日本軍の侵攻に備えて構築した鉄筋コンクリートの射撃陣地を指し、日本軍はこれを「特種陣地」と呼んだと説明します。
意味は地図上の点から射撃地点へ、さらにコンクリート構造物そのものへと変わっていきました。特火点、陣地、バンカー、ピルボックスといった語と並びます。 現代日本語のトーチカは戦史、戦跡、ゲーム、まれに囲碁(隅の形)で使われます。
英語の bunker はもっと一般的ですが、日本語のトーチカは小さく堅牢なコンクリートピルボックス(銃眼つき)のニュアンスを残します。ロシア語 точка は今でも日常会話で「点、ドット」を意味するので、日本語の用法はロシア語よりずっと狭い領域に限られます。「丘の上にトーチカが残る」は戦跡の描写です。
参考文献
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