モルモット
Plausiblemorumotto
guinea pig; test subject
katakana
由来
- 元言語
- オランダ語 (nl)
- 元の形
- marmot
- 借用ルート
- オランダ語動物名 → 日本語でテンジクネズミ系の動物名へ
- 意味の変化
- marmot系の動物名 → guinea pig、さらに実験台の比喩
- 最古文献
- 1900
解説
1876-77年、精選版日本国語大辞典は『博物図教授法』にモルモットを記録します。借用元はオランダ語 marmot とされますが、実際の動物は Cavia porcellus、すなわちギニアピッグ(モルテンモット属の南米のげっ歯類)です。デジタル大辞泉は16世紀のオランダ語で南米のこの動物とヨーロッパのマーモットが混同されたと注記します。
名前と動物がずれた、特殊な借用語です。 明治期の博物学・医学の文章では、モルモットは観察、繁殖、実験に使われる「ギニアピッグ」を指す語として定着しました。日本語にはテンジクネズミという名前も併存し、英語のギニアピッグも知られていましたが、近代医学の現場ではモルモットが優勢になりました。
1910-11年の島崎藤村『家』には、すでに「実験台にされる人」の意味でモルモットが使われています。 現代日本語のモルモットは動物そのものか、人を実験対象になぞらえる比喩のいずれかで使われます。これは英語の marmot とのいわゆる false friend で、英語の marmot は Marmota 属、たとえばアルプスマーモットや北米のマーモットを指します。
英語の guinea pig には動物と「実験台にされる人」の両方の意味があります。「新薬のモルモットにはなりたくない」は典型的な比喩です。