ラッコ
Confidentrakko
sea otter
katakana
由来
- 元言語
- ain (言語コード)
- 元の形
- rakko
- 借用ルート
- アイヌ語 → 日本語
- 意味の変化
- 海獣名 → sea otter
- 最古文献
- 1800
解説
ラッコが英語から来たかわいい現代語に見えるなら、意外にも道は西ではなく北へ向かうようです。ラッコは sea otter のことで、日本語辞書ではよくアイヌ語 rakko、同じ動物を指す語に由来するとされます。つまりこのカタカナ語は、西洋語ではなく先住民族の言語接触への入口です。
舞台を考えると納得できます。ラッコは冷たい北の海にすむ動物で、アイヌ語話者の共同体は、水族館のぬいぐるみ的なラッコ像よりずっと前から、その動物と土地を知っていました。日本語は北の動植物や地名を、アイヌ語との接触を通して多く取り入れました。
字の驚きもあります。ラッコは海獺や獺虎と書かれたことがあります。獺はカワウソを表すので、海獺は英語の sea otter と同じく「海のカワウソ」です。
しかし現代のふだんの表記はカタカナなので、欧米からの新しい外来語だと誤解しやすいのです。 意味はほとんど変わりませんでした。面白いのは意味の曲芸ではなく、初級教材では見えにくい言語の層です。
背中で浮かぶラッコを見るたび、カタカナがアイヌの歴史や北の知識も運ぶことを思い出せます。